協会誌 vol.39-40より

私たちに満ちる大自然の力を育もう
サウンドヒーリング協会理事長 喜田 圭一郎

地球の生命進化の最後に誕生した私たち人類はその歴史の中で戦争につぐ戦争を繰り返し、今も世界の各所で戦争が起きている。人間はなぜ戦争をするのだろうか。自国の領土を拡げる為?自国への侵略を防ぎ国を守る為?攻撃を手段として戦争を起こす?恐怖心が戦争を起こす?地下資源?どのような理由であれ国民を死に追いやってでもする、戦争の意味は本当にあるのだろうか。どんなに戦争反対と叫んでも、戦争を起こす人間の心の奥深くにある、その「原因」を取り除き、心の底から平和な精神を誰もがつくり上げない限り、人類の歴史から戦争が無くなることはないだろう。

近い将来、地球上で最もホットな場所になるのが北極圏と宇宙空間ではないだろうか。米国のトランプ大統領のグリーンランドに関する発言から世界の目が向けられている北極圏では、自国にも北極圏の一部に権利があると主張している国が8つある。その8か国は北極評議会を構成し協議を続けようとしている、日本はオブザーバー13か国のひとつとして参加が認められている。地球温暖化の影響で北極圏は船の航行が容易になりつつあり、地下には途方もない量の天然ガスと石油があると考えられている。経済発展を基軸にする地下資源の開発は地球の環境汚染を更に進める可能性がある。宇宙軍と聞くとアニメを連想しそうだが、米国、ロシア、中国、イスラエル、フランス等には宇宙軍があり、各国は宇宙の軍事利用を進めている。日本は航空自衛隊の中に宇宙作戦群がある。宇宙時代の幕開けかも知れないが、人間の心が地上での権利を力で奪うような精神のあり方では、新たに大きな問題を生む可能性がある。

マウナケアの空

私たちが生まれた星、地球は24時間で自転を繰り返し、太陽の周りを1年かけて公転している。そのお蔭で地球には朝と夜があり、日本などには季節の変化もある。地球から最も近い天体、月は自転も公転も約27日の周期で動き、同じ側の顔を私たちに見せてくれている。月の公転により満月と新月があり、歴が生まれ、夜空に変化をもたらしている。そして月と太陽の引力の影響を受けて地球が自転をすることで干潮と満潮(1日2回)があり、内海と大海の潮の流れにも変化がある。天体が動き、宇宙が動くことで、それぞれの周期があり、時間や暦があり太古の昔から、人はこの天体の影響下にあった。現代に生きる我々も、時間は時計のことではなく、天体の動きとその周期を基にして生まれたサイクルであることを忘れてはならない。もし地球の自転周期が25時間になれば一日が長くなり、一年も変わるだろう。ちなみに地球に近い金星の公転周期は約225日、自転周期は約243日と自転周期のほうが長く、太陽は西から昇り、東に沈む。

ストックホルムの夜明け

地球の大きさを直径約12センチに縮尺すると、足元の大地はたった1ミリ程度の厚さのプレートであり、地球は約10数枚のプレートで覆われている。そのプレートは地球内部のマントル対流の影響で止まることなく動き、日本はプレートが4つ重なり地震が多発する。私たちの心は安定を求めるが、自然も宇宙も止まることなく常に動いているのである。体の中も、静かに休息し眠っていても、血液は動き、循環し、細胞も一定の周期で生まれ変わる。また動きがあることで栄養を運び、老廃物を排出している。地球の生命を生み出した水も、おいしい生きた水は、流れがあり動きのある水であり、水は同じところにとどまると腐敗してしまう。心も固執し執着するより、いつも「さらさら」としていた方が体にはよい。音の振動は縦の波で振動し、物理的に水をこまやかに動かし刺激し、水分子の溶解力を高めることが実験により確かめられている。また音の振動を体に当てると体がほぐれて固執していた思いを手放しやすくなり、心が軽くなる。

古代より音の癒しは宇宙に満ちる秩序と調和の力を、高い精神性を持った人を通して、縦に下して地上とつなぎ、音の響きに封じ込めることが基本とされている。音を扱う人は宇宙に満ちる秩序と調和の法則を知り、それを生かす「心を培う」ことが 求められるのである。

地球や月の自転と公転、また太陽系の銀河系内の動き。心臓が自分の意思では止めることも動かすこともできないのに、動き続けている力、そして代謝が生まれる力。自分の中にあるその力は何か、その源はどこにあるのだろう。動いていることは 知っていても、何故動いているのか、その源の「生命の力」が何なのか、私たち人間の目には見えないためか、まだ十分に解明できていない。大きな天体が一定の周期をもって、互いに衝突することなく、秩序をもって動く源の力は何だろう、なぜ動いているのだろうか。地球の常識では自発的に成長し動くものは、微生物や植物、動物など生命の宿るものである。そう考えると宇宙で動き続ける地球や太陽、星々は何か大きな生命の源から生まれているのだろうか?夜空に輝く美しい星々、もしかして生命体としての心があるのだろうか?

プレアデス

そんなことを考えながら私たち太陽系の天の川銀河内の場所と動きを調べていると、地球から見える美しい星々(プレアデス444光年、アルデバラン666光年、北極星433光年、等々)はかなり近いご近所の星々のようだ。銀河系の大きさは直径10万光年もあり、その中に恒星は3千億個以上も存在しているという。太陽系は天の川銀河の中心から約2万7千光年離れた郊外のような位置にあり、一般的な望遠鏡では地球から約3千光年の位置にある星までしか見ることができない。さらに向こうの星は恒星やガスが先を覆い隠してしまう。

私たちの地球は銀河系の真ん中にあるブラックホールを中心としてその周りを太陽系の惑星と共に太陽の周りを公転しながら、銀河系の中を約2億5千万年かけて一周しているという。自転軸が傾いた地球が太陽の周りを公転することで1年には季節の変化がある。冬は寒く、体は締まり、夏は暑く体は汗をかき老廃物を排出しやすくなる。北半球の夏は地球が銀河の中心に近い位置を公転し、夜には銀河の中心方向を見ているお陰で、空には星々の多い銀河の中心が明るくよく見える。しかし冬は地球の位置は銀河の中心から遠い場所を公転し、星々の少ない銀河の外側を見ているので天の川は夏のようには明るく見えない。 

銀河

地球の公転運動により季節の変化があり、その周期で次の新年があるように、太陽系自身が銀河系内を公転する周期があるということは、さらに大きな周期が宇宙にあり、今はその一つの周期が終わり、次の新しい周期が始まるときなのだろうか。地球が今までの周期を終えて、次の新しい周期が始まるのであれば、新年を迎えるように、心を新たに我々は今、何か行動を起こす必要があるのではないだろうか。

私たちは今、混迷の時代に入り、分裂が起こり、不確実な未来を予測しにくい時代を迎えている。社会のあらゆるシステムが今まで通りには進まなくなり、どこかに不調和が生まれ、地球環境が汚染され自然界のバランスも崩れつつある。人類の未来への分岐点は2030年という世界の賢者からの報告もある。パラダイムシフトという言葉もあるが何を変えればよいのだろうか。
それは、もしかして五感に限定されていた人間から、五感を超えたサトルで小さな変化を感じ、その感覚を大切にする人間に一人一人が変容する時なのではないだろうか。つまり「五感で感じるものだけがすべてではない」ことを認識する時代に なってきたのではないか。その感覚は言葉や文字にして伝えることが容易ではない感覚と言える。自分にしかわからない感覚。その感覚を大切にしていくことが必要なのか。

今まで「力」とは人をコントロールし支配し、横に伸ばす勢力、自分を守る権力のことであった。それは対立、争い、破壊を生み、未来を平和で明るくする為には必要のない力である。言葉の力も、その言葉を発した側の元にその力が還ってくる。その力を受けた相手側には負の思いが生まれ、その思いが発した側に届く、そう認識すべきではないかと思うのである。それこそが、これから明らかになってくる法則の一つではないか。新しい時代の「力」は自分の内深くに眠る、和らかでやさしく思いやり深い、心の力、神聖なる自分と肉体の人格とをつなぐ、天に高く、縦に伸ばす力のことではないだろうか。自分の神聖なる力と縦につながって生きることが必要になったといえるのである。その上で、自分の心の響きと共鳴し合える、縁ある仲間と横に自然なかたちでつながり、その縁を大事するのである。横に力を拡大するのではなく、縦に自分の内なる高い響きとつながる力を発揮し、自分軸を立て、その上で、横に無理せず自然に広がっていくことが大事だと考えている。

アリゾナの空

その結果として、自分の周りに調和する出来事が増え、愛を体験し、自然に物事がスムーズに進むことが起きてくる。従来の「力」の社会が崩壊しつつあることに気づいている人は増えているからこそ、これからは「自分の内なる高い響き」とつながり、すべての人が良くなり、すべてを生かす科学、調和する心から生まれる社会が必要だと思うのである。サウンドヒーリング協会に関係する皆様の中にはすべての出来事の中に、未来を調和する力が働いていると感じる方もおられるだろう。今こそ、 誰かがやってくれるのを待っていたのでは、だめだと考えている。自分から自分に変革を起こし、神聖なる自分とつながり、自身のハーモニックレボリューションを起こすことが、Well-Beingな人生を歩む基になると確信するのである。
自分の神聖なるエネルギーとつながる心の取り組みは、自分自身の最も愛すべきところを見つけそこに意識を向けることから始めるのがいいだろう。その取り組みは自分の心の中に新しい神経回路をつくることになる。そして、生活の中で愛に満ちた、神聖なる意識を発揮することを心掛け、練習し、それを習慣にするのである。
そして同時に自分の人生を喜び多いものにする為に、自分の言葉と思考に責任を持つことである。自分の思考と言葉は常に自分自身に働きかけ、自分の人生に影響を与えている。自分の思考は心の内側の会話であり、自分の心の奥の部屋にいる潜在意識がいつも聞き、記憶に蓄積している。自分の中に浮かんでは消える思考は未来の現実を形づくる力をもっていると認識する。その力をどう生かすかで自分と周りの人の未来が変化すると認識する必要がある。

地球と天の川

毎日発する自分の言葉や思考は、過ぎていく単なる情報ではなく、自身の心の奥庭(潜在意識)に植える強力な種と考えてみるのである。奥庭に、何を植えるかで結果が決まる。毎日未来に育つ様々な種を植えているのだ。無理かもと思うと無理になる種を植えている。 全てうまくいくと言葉にすれば、うまくいくことが起こる種を植えている。植える前にどんな種を植えるかを選ぶことが大切なのだ。

大切なことはネガティブな言葉や思考をなくすることを目的にせず、自分が植えた種を知り、その「思いのくせ」に気づき、どの種(思考)に水をやり育てるかを意識するのである。潜在意識(庭)に潜んでいるネガティブな思考を取り除こうとはしなくてよい、ネガティブな思考を取り除こうとすると、除かれまいとする強い抵抗を生むことになるのである。ポジティブなこと明るいことだけにフォーカスすることを練習することが大事なのである。明るい心は明るいことを呼び、自然にネガティブなことは消えていく。感謝の心と感謝の言葉が感謝の出来事を起こすのである。

同じように社会や自分に起きる否定的な事柄に心を向け過ぎない、そこに集中しない。病気や困難なことに意識を集中すればするほど、心の中のその力は強くなるばかりで無くならず、病気を起こす要因にもなってくる。自分を変革することは、新しい楽器の演奏を練習し、上手になるのと同じである。一夜にしてできるものではない。花をむりやり咲かせることはできないように、種を植え、水をやり、成長を見て待つことが大事なのである。庭全体に美しい花を植え育てるようなつもりで取り組むのである。

毎日、意識的に自分の「思い」と向き合い、自分の感情に注意を向け(消えていく感情、不安の思いなど) それに逆らわず受け入れるだけでよい。焦らずに、困難を自分の可能性を信じるチャンスにする。困難な時代だからこそ、ゆっくりした呼吸の中で心地よい言葉、明るい言葉を発し自分の居場所を明るくし、縁ある仲間と力を合わせて、社会を安心できる心地よい場に変容していきましょう。

私たちは「天の川」という宇宙の川の流れに乗って動いている。その流れの潮流を見極める心の目を一緒に養っていきましょう。宇宙を知るとは常識にとらわれないこと。

参考  地政学でわかる私たちの世界、Sande Hart、 Gary Zukav 、Louise Hay, JST

Morning Tokyo

協会誌vol.39-40

サウンドヒーリング協会の協会誌2025年版(vol.39-40)が発行されました。

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