音楽の本質を学ぶ(3)

音楽の本質を学ぶ 〜To learn the essence of music〜

サウンドヒーリング ~音の効果~

サウンドヒーリング協会 理事長 喜田圭一郎
音とともに伝わる演奏者の心

前号で、音は振動として空気中や水の中を伝わっていくことに触れました。音の波はさまざまな情報を乗せて周囲に伝播されていきます。
楽器を演奏する人や歌う人の心もメロディーやリズムとともに音の波に乗って伝わっていきます。演奏する人が幸せな気持ちに満たされていればその心が、また怒りや不満があればその心が音の波に乗って聞いている人とその場の空間に伝わります。
音楽を奏でる人を一本の木に例えるならば、木の幹や枝葉また花など目に見える部分はその人の演奏技術や表現力であり、目に見えない根の部分はその人の心にあたると言えるでしょう。根が安定していれば、十分な水と栄養分を大地から吸い上げることができ、幹も枝葉も立派に成長し、葉は茂り花を咲かせる事ができます。

「オペラ座の怪人」「キャッツ」などアンドリュー・ロイド・ウェッバーの作品を多く歌いミュージカルトップスターの座を得たサラ・ブライトマンが、インタビューの中で「舞台に立つ前に心がけることは?」という質問に対し、「心を幸せで満たすことです」と答えていたのは印象的でした。「タイム・トゥセイ・グッバイ」など数多くの曲が世界中で愛されている秘密の一端を垣間見た感じがしました。

録音した音にも心は記録される

音を奏でる人の心の情報はライブ演奏はもちろん、録音された音にも記録されています。演奏者だけでなく、プロデユーサー、一緒に演奏する人、またミキシングを担当する人の心も一緒に記録されていきます。
心地よいせせらぎの音や海の音など地球の音には、心と体をなごませる自然のゆらぎがあります。地球の音には人の体内のリズムを整える不思議な力に満ちています。音楽の原点ともいえるこの自然の音についても、録音する人の心のベクトルによって音が違ってきます。心が何をとらえ、何を求めて生きているかがやはり音に表されてきます。
私はより本質に近い自然音の作品を探し続ける中で、中田悟さんという自然音収録家と出会い、その音の透明感に感動しました。中田氏はかつて、ある放送局で仕事をしている時、過労で胸を病み、病院に行く代わりに屋久島に行きました。そして薬を飲む代わりに、屋久島の自然水を飲み、島の食べ物を食べ、山に昇り、心地よいと感じる自然の音を聞き続けて病気を癒しました。
依頼、中田氏は自然音の魅力に引き込まれ、いい音を録るというより、彼の皮膚感覚と直観で心地よいと感じる音の場所を探りあて、ただ無心にその音を聞き、自然音を録り続けています。彼が音を録音し、自身で編集するその音への姿勢には祈りに近いものを感じます。

植物に与える音の影響

その中田悟さんの代表的な作品「癒しの島・屋久島」を小さく部屋の中で流し続けていると、観葉植物やペットが元気になるという定判があります。病室で流し続けると、病気の回復が当初の予定より早まる、お見舞いのお花が枯れずに長持ちする、また心が落ち着き夜よく眠れる、という報告もあります。
この「癒しの島・屋久島」のCDを植物に聞かせた実験の事例を紹介します。
今回の実験は菊の花で行いました。菊は茎の切り口につく微生物により水が濁りやすく、水も茎も腐りやすいと言われている花です。
同じサイズの器に、同量の水道水を入れ、菊の花16本を、8本づつに分けて、各々の器に入れ、面積、日照、温度など同様な条件の部屋A、部屋Bに放置しました。どちらの器も花の数、葉の枚数はほぼ均等にそろえました。そして部屋Aには「屋久島」のせせらぎの自然音を毎日二十四時間流し続け、もう一つの部屋Bには音のない状態に保ちました。
この状態で四十八日間、菊の花を放置した結果、音を流した部屋Aの器の水は最後まで透明で濁らず、水の減り具合が多く四十八日で水の残量は初日の約九パーセントでした。一方、音のない部屋Bの水は茶色く濁り、水の減り具合は少なく水の残量は初日の約四十四パーセントでした。音を流した部屋Aの葉は緑が多く残り、茎には小さな新芽が生えていました。音のない部屋Bの葉の多くは枯れ、茎はつるつるで新芽は生えていませんでした。

音は微生物や水にも働きかける

何故こうなったかの科学的解明はこれからですが、現時点で考えられることは、音の影響を受けた部屋Aの器の水では茎を腐らせる微生物の働きが押さえられ、茎の切り口が汚れず、水を吸い上げる力が維持できたのではないか。その結果葉の緑が多く残り、また音の振動が茎や葉を刺激して、新芽の発芽を促したのではないかということです。止まっているように見える器の水の中を音の波は秒速1500mで通り抜けて行っています。水は流れて動かなければ腐っていきます。しかし一見動かなくても音の波によって、水の分子が目に見えない小さな振動で動き続けているのですね。水は情報を記憶する媒体と言われていますが、中田悟さんの祈りの音の情報が水の中に記憶されていけば、水が腐らないのもうなずけます。

これとは別に水におよぼす音の影響は、あるウイスキーのメーカーと共同でおこなったことがありますが、水とアルコールが馴染んでいくエイジングの効果が加速され音の振動を使うとウイスキーの味がよりまろやかになるという結果がでました。
微生物におよぼす音の影響についても、ワインの発酵過程、ご飯の腐敗・発酵過程に関して実験を行いましたが、ワインでは善玉菌の働きが活性化され、より短い日数で発酵しフルーティーで、さらっとした味のワインができることが分かりました。またご飯の実験でも音を与えた場合には、発酵型の微生物が働いたのか、白い菌が出て、いい香りになっていきましたが、音を聞かせなかったご飯では、腐敗型の微生物の影響か黒い色の菌が繁殖し、悪臭を放ち、腐っていきました。

微生物と水が健康のカギ

私たちが、日常生活で微生物の存在を実感することは滅多にありませんが、この地球上で微生物と無関係に生きることのできる生物種はありません。30数億年前より微生物により私たち地球の生態系の基礎が形成され、微生物と地球生態系は深く結びついています。微生物によりすべての生命が生かされているのです。森、草原、海、地中あらゆるところに微生物は存在し、その種類は数億、数百億ともいわれまだその全容は解明されていません。もし森の微生物が絶滅すると森そのものも存在できなくなります。私たち人間の皮膚、口の中、体内など体のあらゆるところにも微生物が生きています。その数は細胞の数よりも多いと言われていますがイギリスの微生物学者Jフォード博士は皮膚1cmに2千〜7千の微生物が存在し私たちの健康を守ってくれていることを明らかにしました。すべすべして柔らかい赤ちゃんの肌を守っているのも微生物であり、様々な菌に対して抵抗力のない赤ちゃんは母親からもらった活性力の強い微生物を体の表面にまとうことで安全に生きていけるのだそうです。

この赤ちゃんの体の90%は水です。健康な成人は70%、年をとるにつれ水分が失われ60%近くになります。脳の75%は水であり、血液の血漿の90%、骨は22%、歯のエナメル質でさえ2%が水分です。私たちの体は物質的には水です。体内の水がわずか5%でも不足すれば頭痛や体温上昇、脈拍の上昇を起こしてしまいます。体はこの水によって満たされた何十兆個もの細胞のかたまりです。そしてこの体内の水のバランスが健康のカギです。

先程の「屋久島」の自然音を部屋の中で流し続けると私たちの体の水と微生物にも同じようにいい影響があります。花器の水と同様に体内の水も影響を受け続けます。皮膚表面の微生物も聞いているでしょう。音を生活空間に流すことは、部屋の環境を見えないミクロやナノのサイズで整え調和し、外出している間にも部屋の微生物や植物の働きを活性化させ、生活環境を快適化することに役立ちます。

そして、音は心と生命(いのち)を整える

音楽や言葉は二つの種類を同時に聞くと不快になりますが、自然の音は他のどんな音とも調和し、テレビ、ラジオから流れる他の音ともミックスして聞くことができます。さりげなくて流れていることを忘れてしまう位ですが、私たちの潜在意識の脳はしっかりとその音を聞いています。私たちの生命を維持している恒常性(体温、血圧、免疫、循環など)は自分の意志の影響を受けない潜在意識下でいつも働いています。自然の音はこの生命の基礎力を維持する潜在意識に働きかけます。

また前回ご紹介した小型体感音響のクッションを腰、背骨、首、肩、足の裏など、体のポイントに当てダイレクトに体の中に音の振動を伝えることで、より短い時間で、体液のバランスや自律神経のバランスをとり、血液(特に静脈)やリンパの流れを改善することができます。足の先の温度などサーモグラフィーで計ると一〇分間で約三度近くも温度が上昇します。
この小型体感音響をがん治療の副作用の軽減や9/11同時多発テロの後遺症に使い、医療の効果を上げている米国のがん治療の名医ミッチェル・ゲイナー博士は「人間の体には過去のトラウマや過去に抱いた否定的な想念や感情がすべて刻みこまれている。」と述べています。体の水にその過去の情報が刻みこまれているならば、調和の響きの振動が体の水の情報を新しく書き直し、本来の美しい健康な体に自らの力で戻すことに貢献できることは明白です。
神経学者のキャンディス・パート博士は心と免疫とのコミュニケーション役を果たしている「感情の化学物質」ニューロペプチドを発見し、心と体は二つに分けられない一つのものであることを実証しつつあります。体に音を響かせ、体で音を聞くことが、心にも同じ情報を伝えていることになるわけですね。

体の外側の環境である室内の快適環境づくりには屋久島の自然音のような自然のゆらぎに満ちた音を空気清浄器のような感覚で流し続けることをお奨めします。場を整え、一緒に生きる植物、ペット、微生物も聞いているでしょう。
また体の中の環境づくりには体感音響を使うことでより効果をあげることができます。体の細胞の水や体内の微生物も一緒に聞いています。体内の水の記憶も日々あたらしく書き換えられていくことでしょう。
健やかな心と体づくりに、また快適な室内環境づくりにどうぞより本質に近い音をお試しください。明るい未来がその環境から生まれていくことでしょう。

各種 開催日程

ファシリテーター資格認定研修会
第61期
2017年6月9日(金)~11日(日)/ 計3日間
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セラピスト資格認定研修会
第27期
前半3日間11月3日(金)~5日(日)
後半4日間11月23日(木)~26日(日)
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Resonanceワークショップ
第87回6月28日(水)
第88回7月26日(水)
― 8月お休み ―
第89回9月27日(水)
第90回10月25日(水)
第91回11月29日(水)
第92回12月13日(水)
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6th Sound Healing Basic One
Training Certification in USA
(Arizona / Mind Body Medicine Center)

October 12th-14th 3days
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