効果と事例

受動的音楽療法の評価

松下裕子 東邦大学看護学部 教授
目 的

今日、音楽の効果については聴神経刺激による血圧変化、血行と呼吸の変化(デサーンズ1926、他)や、内分泌系への影響について(セリエ1936、他)の研究は多くありますが、「心」への影響は緒についたばかりです。スーザン・マンロー(1999)は、音楽は「意識」の様々なレベルにふれることを可能とし、「心」の奥底にある感情を揺り動かす触媒のような役目をするといいます。ヒーリングバイブレーションが「心」に及ぼす影響について生理学的な測定を試みました。

測定については7名の学生ボランティアの協力の下に約4ヶ月間で4回測定しました。生理学的指標には実施前後の血圧、脈拍、体温および唾液中コルチゾール(副腎皮質から分泌されるストレス反応物質)を用い、日常のストレス(日本版GHQ精神健康調査票)との関連を見ました。

その結果(図1~5)日常生活を反映するGHQストレスはイベントにより様々に変化していました。2回目はテスト、3回目はクリスマスコンサートの準備、4回目は後期試験の結果が出始めた時期です。2・4回目とも半数のGHQストレスに上昇があり、かなり主観的にストレス刺激を受けていました。さて、生理学的指標ですが、1~3回目について、血圧と体温は規則的な変化は見られず、脈拍は実験後の方が減少しました。情動の影響をうけた交感神経・副交感神経の介在で血圧、体温、脈拍の変化を見ましたが、もっとも深い意識レベルを示すと考えられるコルチゾール値はほとんど上昇しました。そこで、3回の実験結果を考慮し、(1)受療直前には、静かな時間を持つ(2)個人の身体状況に合わせた資材の整備(ヘッドホンをイヤホンに変更、安楽姿勢への配慮、適切な寝床気候)(3)周囲の環境整備(室内の音と光)(4)療法直後に差迫った仕事を入れないなどに配慮した4回目の測定では、コルチゾールを含む全ての項目が低下していました。Clair(1996)は音楽療法には光を落とし、静かな時間と空間が必要としています。今回のコルチゾールの結果はまさしく、音楽療法実施時には外部環境や内部環境など環境因子を調整することの重要性を示していました。

唾液中コルチゾールは肝機能由来のコルチゾールとは異なり、ストレス由来の遊離コルチゾールです。環境条件を整えた4回目に、体温、コルチゾール値は低下することより、ヒーリングバイブレーションはストレス緩和に有効な可能性が示唆されました。しかし、今回は対象人数も少なく、より大きい数での検討によりさらに有意な結果を得られると思われます。

音楽療法はもっとも副作用の少ない療法といわれていて、適用によっては鎮痛剤、睡眠導入剤、麻酔薬の使用を軽減する効果についても考えられますが、その評価については今後さらに臨床実験を重ねることが望まれます。

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2017年6月9日(金)~11日(日)/ 計3日間
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